飼い主が不安になり「夜間の救急外来」受診→不要な検査で治療費がかさむリスク
愛犬や愛猫がいつもと違うそぶりをしていたら、飼い主さんは心配してその症状をネットで検索するかもしれません。そこにある情報は概してよくない話で、それが飼い主さんの不安を募らせてしまいます。先日も、そんな飼い主さんがシニアのワンちゃんを連れて来られました。
そのワンちゃんの症状は、後ろ足の肉球を気にしてなめたり、かばったりするそうで、飼い主さんがそこを見ると、赤黒く腫れてシコリのようなものがあったそうです。それでネットで「黒いシコリ」と検索すると、皮膚がんの一種メラノーマがヒットしたため、慌てて救急外来を受診したものの、X線検査をしても異常ナシ。
その診断が腑に落ちず、こちらに回って来られたのです。
患部を診察すると、シニア犬にはよく見られるものでした。角質が硬くガサガサする角化亢進症です。ヒトもかかとやひじがガサガサすると思います。あれです。
ワンちゃんの場合、肉球の端にできやすいのですが、内側にできて歩行時に加重がかかると、違和感を覚えると思います。ヒトに例えるなら、ウオノメのような感覚でしょうか。それでワンちゃんはそこをかばったり、なめ壊したりすることがあるのです。