著者のコラム一覧
田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

“かつての名門”武蔵の長期低落の深刻度…学習塾「鉄緑会」の指定校から外れたことも逆風に

公開日: 更新日:

「いまだに御三家とはおこがましい」と話すのはかつて東大合格者数トップ10の常連だった武蔵中学・高校の関係者。開成や麻布とともに、私立男子校の代表格として60年以上前から御三家と称されてきた。「実態に見合わなくなっている」と大手学習塾の幹部がいうように、他の2校とは大きく差が開いている。東大合格者数は1999年(7位67人)を最後にトップ10から名前が消えた。

「武蔵はどうしてしまったのかとOBから心配する声が立て続けに寄せられる」と学校法人「武蔵学園」の評議員の一人は苦渋の顔を見せる。かつての栄光を知る卒業生たちは歯がゆい思いを募らせているのだ。

「進学校としては麻布や開成より格上だった」と証言するのは塾幹部。生徒数は麻布300人、開成400人(うち100人は高校から)に対し、約170人。少数精鋭を実践し、大学進学でも高い実績を挙げてきた。その前身はさらに凄い。戦前は国内で最難関の名門だったのである。

■戦前は東大コースが約束されたが…

 当時のエリートコースは一中→一高(現東大教養課程)→東大。そうした中で誕生したのが7年制の武蔵高校だった。中高一貫の性格をもった同校に入れば、一高を経ずに東大に入学できた。つまり、小学校から受験して武蔵に合格できれば、その時点でほぼ東大までのコースが約束されたのだ。落第するなど、よほど成績が悪くても、どこかの帝大には潜り込めたという。一方、麻布や開成は中学までしかなく、東大を目指すには一高を受験する必要があった。

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