石破政権「高額療養費」引き上げ非情強行に国民激怒…「再検討」の不透明感に患者不安は増すばかり
選挙対策より厚労省をアシスト
問題は再検討の中身だ。現行制度では年収700万円なら負担上限は月額8万100円。これが来年8月に11万3400円、最終的に再来年8月以降は13万8600円に膨れ上がる予定だった。再検討を経て負担増が小さくなるのか、はたまた大きくなるのか。
予算委で早稲田氏が「縮減・削減される可能性も視野に入れて再検討するのか」と質問したが、福岡厚労相は「予断をもってお答えできない」の一点張りだった。
「政府は患者団体など関係者の意見を踏まえ、再検討の結果を今秋までに出すとしています。この『秋まで』がポイントで、少なくとも夏の参院選の後。シンプルに考えれば、再検討は世論の反発を意識した選挙対策に見えますが、むしろ石破首相は厚労省をアシストするボールを投げたのではないか。選挙後なら、厚労省も政権運営を気にせずにフリーハンドで引き上げに取り組めますからね。検討結果がどうなるか、不透明感が増しただけです」(永田町関係者)
石破首相が再検討をブチ上げた先月28日、全国がん患者団体連合会理事長の天野慎介氏は「(再検討となった)2年目、3年目は十分な議論もなく引き上げられるのではないか」と危機感をあらわにしていた。これ以上、患者置き去りの議論は許されない。
◇ ◇ ◇
「高額療養費制度の見直し自体は実施させていただきたい」
衆院予算委で立憲民主党の野田代表から「見直し凍結」の英断を迫られた石破首相は、開口一番、こう答弁。今年8月からの負担上限の引き上げを予定通り実施すると宣言した。がん・難病患者をなおざりにした結果、非難ゴウゴウの事態を招いているのに、それでも引き上げ強行とは血も涙もない。●関連記事【もっと読む】『石破政権どこまで冷血 高額療養費引き上げ「予定通り」強行…患者団体や野党が求める「凍結」突っぱねる』で詳報している。