岡山市立中央図書館(岡山県)体育館3個分の館内が見渡せる開放感
桃太郎伝説発祥の地といわれる岡山。1983年4月、岡山市立中央図書館は市内を縦断する旭川のすぐ横に建設された。
西側が半円形になっている建物のデザインは当時、斬新で、87年には日本図書館協会建築賞優秀賞を受賞している。
「館内中央に吹き抜けの空間があり、その下で本や資料を閲覧することが可能です。建物の西側の半円形の部分は紫外線で本の背が色焼けしない程度に採光できる設計なので、明るい空間になっています。フロア端以外の書架の高さを145センチにしているのは館内の見晴らしを良くするため。規格品を加工して極力、視界を遮らないようにしています」(館長補佐の浅沼清宏さん)
1階は約2650平方メートル、2階は約2450平方メートル。各フロアとも小中学校の体育館の3倍程度という開放感タップリのスペースに約34万冊(閉架図書も含めると約99万冊)を所蔵している。
1階は一般書、児童書、新聞、雑誌コーナー、2階は郷土資料、参考資料コーナー、調べ物のカウンターなどがある。
「1945年6月の岡山空襲で所蔵していた本の多くが焼失してしまいましたが、職員の手で疎開させた資料が残っていますし、市民から寄贈された貴重な資料も保存されています。中でも岡山出身の児童文学作家・坪田譲治の資料や、氏の約1万冊の蔵書も寄贈・保存されていて、開架フロアでは坪田作品や坪田譲治文学賞の受賞作品を見ることもできます。桃太郎に関する書籍も集めてますし、関連図書は極力、購入するようにしています」(浅沼清宏さん)