株高&新NISAで広がる「業界格差」…口座開設が“ネット証券一択”に偏るワケ
ネット証券の魅力は、無料あるいは割安な取引手数料や投資商品の豊富さのほか、ポイント獲得にあるという。
「クレジットカードでの投信の積み立て上限額が月10万円まで引き上がったことで『楽天経済圏』などでポイント獲得、利用できるのも魅力な点です」(鈴木雅光氏)
ネット証券が新規口座数を伸ばす中、割を食っているのが既存の証券会社だ。
「銀行同様、ネット証券と比較して手数料が割高だったり、投資商品数が乏しかったりするため、当然の結果ではあります。店舗型の証券会社のメインの客層は、今や70代の高齢者といわれています。リテールに関してはラップファンドや仕組み債の手数料で収益をあげている大手証券会社もありますが、新NISAで若い世代を取り込めていないため、今後、苦しい状況になるのは間違いないでしょう」(鈴木雅光氏)
新NISA口座はネット証券一択の状況だが、注意が必要だという。
「新NISAで投資に目覚めた人たちを、FX(外国為替証拠金取引)などのより高リスクな取引に誘導する可能性も懸念されています。着実に資産を積み上げていく中で、財産を失うリスクがある投資には十分注意が必要です」(鈴木雅光氏)
日経平均株価が最高値を更新し、日本人の投資熱が高まりつつある中、証券業界では地殻変動が起こりつつある。