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小林佳樹金融ジャーナリスト

銀行・証券・保険業界などの金融界を40年近く取材するベテラン記者。政界・官界・民間企業のトライアングルを取材の基盤にしている。神出鬼没が身上で、親密な政治家からは「服部半蔵」と呼ばれている。本人はアカデミックな「マクロ経済」を論じたいのだが、周囲から期待されているのはディープな「裏話」であることに悩んで40年が経過してしまった。アナリスト崩れである。

寄らば大樹なのか…銀行傘下入りする「ロボットアドバイザー」の今後は

公開日: 更新日:

 新NISAが始まり、資産運用への関心が高まっているが、その有力ツールとして注目されているのがロボットアドバイザー(ロボアド)だ。運用商品の選択、バランス調整など投資を自動的に行ってくれるもので、日々の仕事に忙しいサラリーマンや運用初心者を中心に利用者数が増えている。

 しかし、「ロボアド事業は預かり資産の残高に応じ手数料を得るビジネスモデルだが、残高が増えるまで収益化するのが遅く、その間のコスト負担が重荷となっている」(メガバンク幹部)という。特に知名度を上げるための広告宣伝費は恒常的に収益を圧迫する。ロボアド大手のウェルスナビもサービスをリリースして黒字化するまでに6年の期間を要し、その間の資金調達は最大の難点だった。その打開策としてウェルスナビが選んだのが大手銀行との資本提携だ。タッグを組んだのはメガ最大手の三菱UFJ銀行。三菱UFJ銀行はウェルスナビに15.5%出資し、3月にも持ち分法適用会社にするとともに、伊藤英十常務を社外取締役に据える予定だ(3月26日の株主総会に諮る)。「寄らば大樹ということだろう。ウェルスナビにとって自力での顧客開拓に限界が見え始めていただけに、大手銀行の事実上傘下入りを選択することで、銀行が持つ広範な顧客基盤をフル活用できると同時に、資金調達の苦労から解放されるメリットがある」(メガバンク幹部)というわけだ。市場はこの決定を受け、株価上昇で応えた。

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