JBS 牧田幸弘社長(1)営業マンからシステム会社を創業
そんな慌ただしい船出だったが、最初の仕事はすぐに決まった。元IBMの知人の紹介で、スペインの銀行にパソコンを納入することになったのだ。
「創業したばかりの小さな会社なのに大丈夫かとこちらが心配になったほど、あっさりと採用された。外資系企業はそういうことにこだわらないのだと、新鮮だった」と牧田は振り返る。
それをきっかけに外資系企業を中心に営業をかけたところ、次々に新規顧客を獲得することができた。当時まだ外資系企業に積極的に営業をかける日本のシステム会社が少なかったことと、たまたまアメリカにシステム会社をやっている知人がいて、いち早く最新のシステムを仕入れることができたのが幸いした。
そんな先行者利益もあり、JBSは順調に業績を伸ばしていった。フロアを増やすなどオフィスも拡張。創業2年目の1991年には初のエンジニアを採用。学生時代からコンピューターに興味があったという大学2年生を正社員として迎え入れた。
「アルバイト志望でしたが、家の事情もあり、やる気があった。未経験でしたが、その意欲を買ったのです」