単独高齢者の「身元保証サービス」にトラブルが10年で4倍…政府ガイドライン策定でも疑問点が
「利用者が高齢者であるため契約締結時、契約履行時に事業者の体制へのチェックリストを提供している。さらに、事業者の基本情報(組織、サービス内容と費用、預託金の管理方法、寄付・遺贈に関する取り扱い方針など)の開示で利用者が正しい選択をできるよう事業者側の適正な体制を促している。過去の消費者トラブルを踏まえ、事業者が留意すべき事項が整理されていることは意義がある」
ガイドラインの策定に期待する一方、疑問点について、こう指摘する。
「事業が広範囲に及ぶため共管する府省庁は内閣府孤独・孤立対策推進室をはじめ、総務省、厚生労働省など9府省庁が関わっています。ガイドラインでの指摘を担保できなかった事業者に対し、どこが責任を持って対応するのか、管轄官庁がなければ事業者の運営を外部から確認・指摘するのは難しい」
単独高齢者にとって、必要なサービスの提供と終身の制度設計を行ってくれる身元保証サービス事業者は不可欠となる。単独高齢者の増加で消費者が安心して事業者を選択できるよう、身元保証事業を監督する官庁の存在は早急に解決すべき課題といえる。
(ジャーナリスト・木野活明)