日本果汁 河野聡社長(1)唯一無二の柑橘系チップスが大ヒット
「日本では将来、食べられるものがあるのかなって心配になりますよね。世代交代が進まず、人手不足から廃業に追い込まれる農家さんは後を絶ちません。負のサイクルを止めるには、まずは収入が増える仕組みが必要。これまで廃棄していた果皮なども加工して売ることで、果物の仕入れ値を少しでも高くしたいと思っています」
「さくピー」に使われる小笠原島レモンの場合、100キロの果汁を搾ると130キロの果皮が取れるという。主役より存在感がある脇役を生かさない手はない。売り上げの一部を小笠原村と農協に寄付し、農業振興や観光の財源として使われるスキームもつくった。
根っこにあるのは、農家や産地を元気にしたいという思い。これは会社設立の立役者となった恩人の願いでもあった。(つづく)