日本の労働力人口は過去最多なのに…深刻な「人手不足」のなぜ?

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■75歳以上の就業者は21万人増加

 総務省統計局によると、24年の65歳以上の労働力人口は946万人と、前年比15万人増。なかでも驚くのは75歳以上の就業者が21万人も増えていることだ。

 ニッセイ基礎研究所の経済調査部長・斎藤太郎氏が、労働力人口の増加を歓迎してこう述べる。

少子化、人口減で生産年齢人口が減少するなか、労働力人口の増加は奇跡的なこと。働く女性と高齢者、そして外国人労働者が増えたことが大きな要因です」

 そして女性の就業について次のように指摘する。

「もっと働きたい女性は多いはずです。現在所得税の課税最低ライン『103万円の壁』で就業を抑えられネックになっていますが、政府が最低ラインを見直し、修正することで人手不足解消へと大きくつながっていく」

 24年の完全失業者は176万人と前年から2万人減少した。先の労働力調査では、仕事に就けない理由の最多は「希望する種類・内容の仕事がない」(29.3%)、次いで「勤務時間・休日などが希望に合わない」(13.6%)、さらに「賃金・給料が希望に合わない」(8.1%)が挙がる。

 雇用のミスマッチ解消、賃金を含めた待遇改善、女性の労働力確保など、完全失業者への対応は人手不足を補う大きな要因になる。

(ジャーナリスト・木野活明)

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