買えないのに1、2割の値上げが当たり前に…「賃貸派」を直撃する家賃上昇の回避策
就職や進学で新生活を控えている人、すでに賃貸で暮らしている人を直撃しているのが家賃の高騰だ。食品や光熱費をはじめ、多くのモノやサービスの価格が高騰する中、主に都市部で賃貸相場が上昇しているという。
「賃貸業でも共用部の光熱費、管理費、退去時の清掃費や修繕費などが軒並み高騰している影響で、価格転嫁する動きがみられます。今のところ強気の値上げがされているのは東京都心や23区周辺で、供給が細っている新築や築浅の物件がほとんどです」(不動産アナリストの長谷川高氏)
1、2割程度の値上げが多いとのこと。例えば、2DKの築浅物件が家賃15万円のところ16.5万円に1割値上げされると、年18万円の負担増になる。
「都心のタワマンなど高級賃貸の多くは高所得層、富裕層がメインのため、多少の値上げは比較的受け入れられやすい。一方、一般の方がこれまで通りの家賃で生活する場合、エリアを変えるか広さを抑えるか、築年数の古い物件を選択するようになるかもしれません」(長谷川氏)
通常、普通借家契約の場合、正当な理由がある上で借り主の同意がない限り、値上げは成立しないが、定期借家契約の場合、契約期間が満了後、再契約の際、貸主が提示する新たな条件を受け入れざるを得ない。不動産価格が高騰する中、賃貸でしのいできた人たちにとって値上げは打撃だが、貸主側にとってこれまでしたくてもできなかった値上げができる環境になりつつあるという。