SP首位・浅田真央が挑むキム・ヨナ潰しの“大ギャンブル”
演技を終えた直後の笑顔が状態の良さを表していた。
女子フィギュアスケートの浅田真央(23)は5日、グランプリファイナル(福岡)のショートプログラム(SP)で首位に立った。
「トリプルアクセル(3回転半)がきれいに跳べたのは今シーズン初めてだったのでうれしい。<よし>と思った。3年間スケートを見直してきたことが身になっている」
力強くこう語った浅田は今季を「フィギュア人生の集大成」と位置づけ、ソチ五輪を最後に引退すると決めている。今大会で3位以内に入れば五輪代表はほぼ確定。本人もすでに五輪を念頭に置き、この大会からフリーで高難度のトリプルアクセルを2回跳ぶ構成に変えた。SPを含めてトリプルアクセルを3度入れるのはバンクーバー五輪シーズン以来だ。
あるフィギュア関係者が言う。
「浅田はステップ、スピン、表現力も前回五輪より格段にレベルアップしている。代名詞ともいえるトリプルアクセル3発で勝負をかける。アクセルを成功させれば基礎点が上がるだけでなく、地元のロシア選手を応援する観客も沸くから、審判団にはインパクトを与える。過去の印象と表現力で五輪連覇を狙うキム・ヨナの点数を必ずや上回るはずです。ただし、リプニツカヤ(15)など若いロシア勢も力をつけている。ジャンプを失敗すればメダルを逃すリスクもある」
キムの母国・韓国では「浅田は2回のGPシリーズでトリプルアクセルに4回挑んだが、すべて失敗。必殺技にふさわしくない」と報じた新聞もある。浅田とキムの五輪対決は2月19、20日深夜。長い休養明けの前回女王に負けるわけにはいかない。