ジエゴ・コスタを襲った「スペインの嫉妬」「ブラジルの反感」
現時点で今大会最大のサプライズは、前回優勝国のスペイン代表が2敗し、早々とグループリーグで敗退したことだ。その戦犯のひとりは、フォワードのジエゴコスタ(25)。彼がボールを持つと観客席から大きなブーイングが沸き起こっていたことに気がついただろう。そのブーイングは対戦国のサポーターからではなく地元ブラジル人から出たものだった――。
ジエゴ・コスタは、ブラジル北東部セルジッペ州のラガルトという小さな町で生まれた。14歳の時、代理人の目に留まり、欧州へ向かった。いくつかのクラブでプレーした後、2010年シーズン途中、スペインの名門、アトレチコ・マドリードで頭角を現した。昨年6月にはスペイン国籍を取得している。つまりブラジル生まれのスペイン代表だったのだ。
今大会、頭突きで退場したポルトガル代表のDFぺぺをはじめ、ブラジル人選手が他国の代表になることは珍しくない。日本でも、呂比須ワグナー、田中マルクス闘莉王などが国籍取得し、日本代表としてW杯に出場してきた。
現ブラジル代表FWのフッキが川崎フロンターレにいた頃、冗談で「日本の国籍を取って日本代表になる気はないの?」と話しかけたことがある。