残留でも控え捕手? 楽天・嶋が抱えるリードの「致命的欠陥」
「来年も楽天でお世話になりたい。8年間いろいろな方にお世話になった。その分をまだ返していない」
楽天の嶋基宏(29)が31日、今季、取得した国内FA権を行使せず、残留すると明言した。
嶋は昨オフ、楽天と4年契約を結んでいるものの、「一定の条件を満たせばFAを認める」との付帯条項があり、その去就が注目されていた。
かねて水面下で巨人が調査を続けているともいわれ、原監督が来季から大黒柱の阿部慎之助(35)を一塁へコンバートすることを決めたのも、「嶋に対する事実上のアピール」との声も聞かれた。嶋残留のニュースは巨人にとっては残念なことかもしれないが、ほくそ笑んでいる連中もいる。パのスコアラーがこう言う。
「嶋のリードにははっきりとした傾向がある。それは、投手が誰であっても一緒。簡単に言えば、“困ったら外角”という典型的な安全策のリードで、打者からすれば怖さがない。野村元監督も常々『嶋は気持ちが優しいのか、内角を突けないという捕手としては致命的な問題がある』と言ってましたが、嶋がマスクをかぶれば打者は狙い球を絞りやすい。そんな事情から、楽天の投手陣には、高卒5年目の小関翔太(23)の方が人気があるみたい。実際、小関は大胆で傾向の出にくいリードをする」
ちなみに、ドラ1の松井裕樹(19)が先発初勝利を挙げた8月13日のソフトバンク戦でリードしていたのも小関だった。「今のチームメート、ファンの皆さんと一緒に優勝の味をまた味わいたいと思って決断した」と言う嶋。残留しても、来季は控え捕手かもしれない。