松坂の投球フォーム 悪癖が抜けずに悪循環に陥ってる
松坂の球威を生み出す秘訣は「左足」にある。本人も踏み出す足を気にしているようだ。左足のつま先を三塁側に向けて着地し、リリースの瞬間にグッと左側にねじることで爆発力が出る。
マウンドが硬い米国時代は、「スパイクの刃が土に入らない」とよく嘆いていた。日本のマウンドなら刃が刺さる。が、着地したつま先が三塁側に向き過ぎている。これはクロスステップに似ていて、ねじる作業が大きくなると、体が苦しくなって右ひじが下がる。悪循環に陥っているのだ。
最初の休日にチームメートの内川聖一や中田賢一らとゴルフに行ったという。オフに松坂と一緒にラウンドをする機会があるが、ゴルフは松坂の独壇場。ドライバーの飛距離は常時320、330ヤード。時には350ヤード近く飛ばす。100ヤードも置いていかれるので、松坂とは勝負にならない。
人懐っこいから、新天地にはすぐに馴染めるだろう。高校時代も「オレが松坂だ」と偉ぶることもなく、レギュラーより補欠の選手と仲良くしていたのを思い出す。
悩んでいるのは投球フォームだろう。米国時代に染み付いた悪い癖がなかなか抜けない。私が言わなくても本人が一番分かっているはずだ。11日のブルぺン投球をテレビで見たら、だいぶ改善されているように感じた。ただし、悪癖が完全に修正されなければ、厳しいと言わざるを得ない。