松坂の投球フォーム 悪癖が抜けずに悪循環に陥ってる
プロ野球がキャンプインしてから、9年ぶりに日本球界に復帰したソフトバンクの松坂大輔に電話をしてみた。横浜高校を退任した私は現在はフリー。松坂を激励したいと思った。
「宮崎におまえを見に行くよ」
「来てください!」
松坂はこう言ってくれたものの、宮崎がちょっとしたフィーバーになっているようで躊躇している。当初は報道陣が100人近く張り付き、サインをしようにもファンにもみくちゃにされているようなのだ。
一挙手一投足が注目される。衆人環視というのは、普通の神経なら参ってしまう。ただ、高校時代からフィーバーには慣れている。注目されて夜も眠れない、なんてタマではない。そこは心配していないが、肝心の投球のデキが悪い。
ブルペンでフォーム固めに取り組んでいる様子をテレビで見る限り、投げる時に顔が上を向いてしまっている。テークバックに入る過程で両手を広げた時、右肩も下がっている。メジャー時代の悪い松坂だ。左足を上げようかという段階ですでに右肩が落ちている。これでは球持ちが悪くなる。肩のラインは平行に近い形が理想。トンボなどの長い棒を首の後ろに通して投げてみると、いかに傾いているかがよく分かる。