最下位広島で一人気を吐く新井 年俸2000万円でも黙々と貢献
開幕前の盛り上がりはどこへやら、最下位に沈んだままの広島。4日も2点を先制しながら日本ハムに3-6と逆転負けを喫した。そんな中、気を吐いているのが今季から古巣に戻ってきた新井貴浩(38)だ。
初回に先制適時打を放つなど、5打数3安打1打点で、打率.324。数日中にも満たすであろう規定打席数に達すれば、一気にリーグ3位に躍り出る可能性がある。
開幕前の広島は、メジャーからの20億円ともいわれるオファーを蹴った黒田ばかりに注目が集まっていたが、この新井だって復帰に至るまでの道のりは平坦ではなかった。07年オフ、阪神にFA移籍した際はファンからブーイングを浴び、「恩知らず!」と罵られた。昨オフには阪神を自由契約になり、路頭に迷っていたところを古巣から助け舟。年俸は昨季の10分の1となる2000万円でも、文句ひとつ言わず、黙々とバットを振っている。
キャンプで日刊ゲンダイの直撃に、「お金の問題ではありませんでした。拾っていただいた身ですから、どういう形でもいいので、カープに貢献したい。もう、その気持ちしかありません」と話していた新井。今季4度目の1試合3安打以上をマークし、2000本安打まで残り98本とした。
周囲が納得する成績を残せなければ「引退する」との覚悟を持って臨んだシーズン。このままいけば、ユニホームを脱ぐのはまだまだ先になる。