下位打線“降格”で奮起 広島2年目・田中広輔を徹底解剖
これまで1番を任されてきた田中広輔(25)だが、10日の西武戦で7番に降格すると、満塁から走者一掃の適時二塁打を2本。1試合6打点と爆発した。12日のソフトバンク戦でも二回に先制2ラン。13日現在、規定打席回数以上だとチームトツプの打率.286をマークしている。
■適応能力
JR東日本の恩師・堀井哲也監督が言う。
「遊撃の守備力が安定していたから入社してすぐにレギュラー。年間110試合、オープン戦も全部出しました。調子が悪くても悪いなりに1、2安打するとか、能力を発揮できる実戦派。12年、13年と全日本メンバーに選ばれたんですね。私はコーチで帯同したんですが、海外遠征でみんなが食事や時差などの環境の変化に苦しむ中、ビクともしなかったのは田中くらい。たくましさを感じましたね。順応、適応能力が高いんです」
■サラブレッド
巨人の菅野智之とは高校、大学の同期。2番目の弟・俊太は現在、東海大主将を務める。東海大相模出身の父・正行さんも1年時には2学年先輩の巨人・原監督と汗を流し、2年で甲子園に出場した。巨人戦前に田中が原監督に挨拶に出向くと、「お父さん元気?」といつも聞かれるという。巨人と縁深い環境だった。