プロが「決定差」解説 女王イ・ボミにあって日本人にないもの
【伊藤園レディス】
初日から首位キープのイ・ボミ(27)が完全Vで今季6勝目を挙げ、2試合を残して初の賞金女王タイトルを獲得した。賞金額は日本女子ツアー初の2億円超えとなる2億781万円になった。
それにしても強い。3日間でボギーは1つだけ。
最終日も3バーディー、ノーボギーと崩れなかった。単独3位以内でもタイトルを手にできたが、後続に付け入るすきを見せず優勝で決めた。
今季データを見ればイーグル数(1)こそランク44位だが、パーオン率、パーセーブ率が1位で、平均ストローク、平均パット数、平均バーディー数は2位と抜群の安定感を誇っている。
「日本国内でプレーしている限りイ・ボミは来年も賞金女王争いができるでしょう」と田原紘プロがこう解説する。
「ボミのスイングは完成度が高く日本人選手との違いがよくわかります。ボミは下半身リードのスイングで上半身の力が抜けている。下半身リードで手、腕、クラブがついて下りてきて再現性が高く、方向性に優れている。スイング軌道の中にボールがあって、インパクトが点ではなくゾーンで捉えている。ところが日本人選手の多くはインパクトをつくっている。だから勝負どころでフェースがかぶってくるのを怖がって右へボールを押し出すミスが出る。グリーンの左サイドに池が絡む17、18番で、最終日は左サイドに切られたピンに対して多くの日本人選手がスペースの広い右サイドへと逃げたのもスイング精度が問題なのです」