定着するのか “生みの親”が語る「プロ野球三軍制」の実態
――3年間在籍して中日に移籍した亀沢(恭平・27)も、SBの育成選手でしたね。
「大卒で四国アイランドリーグ出身のガッツマンです。ヘッドスライディングは禁止なのに、首脳陣にアピールするためいつも頭から滑り込んでいた。キャンプの時は一軍に呼ばれるほどの力もあったが、なにぶん層が厚いもので、支配下登録までにはいたりませんでした。育成選手は3年間で支配下登録されないと、一度自由契約となる。チームに所属し続けるためには改めて契約する必要がある。ソフトバンクは育成で再契約するつもりでしたが、以前から彼に目をつけていた中日が支配下選手として契約したのです」
■育成ディレクター
――三軍の指導体制はどうなっているのですか。
「選手育成のノウハウ、イズムは球団の無形資産となるわけですから、フロントが主導する体制をつくること、そして、指導方針を一貫させることに注力しました。そのために、フロントにファーム統括の役職を新設し、現場にも、スカウト部長の小川(一夫=現編成・育成部部長)さんに二軍監督をお願いし、育成方針や指導内容を文書および対面で、常時すり合わせる仕組みを作りました」