吹き荒れるトランプ旋風 日本人メジャー挑戦にも影響必至
米国のかつての覇権主義はどこへやら。例えば世界のすべての国の参加を前提に主導したGATT(関税及び貿易に関する一般協定)やWTO(世界貿易機関)に対し、TPPはEU(欧州連合)などとの並立が前提の経済圏に過ぎない。どうやらトランプは格差社会の底辺でくすぶる不満や怒りを、強いアメリカを取り戻すという主張によって代弁しているようなのだ。
■ビザ発給数の引き下げ
問題はトランプの主張が米国内でかなりの支持を集めている現実、つまり日本や中国に甘い顔を見せることが元凶みたいな空気が米国に充満している点だ。それだけにトランプ旋風は現在、メジャーでプレーする日本人選手、あるいはこれからプレーしようと考えている日本人選手にとって、対岸の火事では済まされない。前出の鈴村氏がこう言った。
「トランプの打ち出している移民規制は民主党保守派も共鳴しやすい話題だけに、ビザの発給の総数を引き下げたり、要件が厳しくなれば、当然マイナー契約で渡米する外国人選手にも被害が及びます。さらに言えば現在のポスティングシステム(入札制度)も米国側には不満の多い仕組みだけに、制度の改変や撤廃を唱えてくる可能性もあるのです」