10秒01マークから3年…桐生祥秀100m「夢の9秒台」はいつ
陸上男子100メートルの桐生祥秀(東洋大)が、日本学生陸上競技個人選手権(10~12日・平塚)で、11日に行われる100メートルに出場する。
24日に開幕する、リオ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権(名古屋)に向けての状態の確認という位置づけのようだが、高校3年で国内競技会では日本人最高の10秒01(日本人歴代2位)をマークしてから、はや3年。夢の9秒台はまだ出ていない。
「夢」とは言っても、桐生が100メートルを9秒台で走ってもアジア初ではない。昨年5月、中国の蘇炳添(26)が9秒99を記録。アジア出身の選手では初めて10秒の壁を突破した。さらに8月にも、世界陸上の100メートル準決勝で自身2度目の9秒台となる9秒99を出している。桐生が9秒台を出せば日本人初とはいえ、それで五輪のメダルが約束されるわけではないし、どれだけの価値があるのだろうか。
陸上選手にとって記録は重要でも、「10秒の壁」を破っても「世界の壁」は厚い。世界最速のウサイン・ボルトの自己記録は09年世界陸上で出した9秒58(世界記録)だ。