卓球W杯女子S初Vの平野美宇は“メダリスト養成所”育ち
「日の丸を背負っている」という声も、あながち大げさではない。
米フィラデルフィアで行われた卓球女子W杯シングルスで、日本勢初優勝を果たした平野美宇(16)が11日に帰国。「あまり調子はよくなかったけど、1試合ずつどんどん調子が上がっていき、決勝の時は絶好調だった。夢のようだったし、めちゃうれしかった」と言って笑顔を見せた。
平野は大原学園高(通信制課程)の1年生だが、日本オリンピック委員会(JOC)のエリートアカデミーに所属している。08年にスタートしたこのアカデミーは、五輪や国際大会で活躍できる選手を育成するためにJOCが設立。卓球の他にレスリング、フェンシング、飛び込み、ライフル射撃の選手たちが共同生活しながら、ナショナルトレーニングセンターで指導を受けている。つまり、このアカデミーは五輪メダリストの養成所なのだ。
アカデミーの運営資金はJOCや各競技団体などが負担しているが、リオ五輪の卓球女子代表に選ばれたのは平野ではなく、大阪の私立高校に在籍する同学年の伊藤美誠だった。多額の資金と恵まれた環境で腕を磨く選手たちには、それ相応の結果が求められる。平野のW杯日本勢初優勝には、本人はもちろん、アカデミー関係者たちも胸をなで下ろしているのではないか。