WS第1戦に先発 カブス左腕レスターの「がん闘病秘話」
実に108年ぶりの世界一を目指すカブスのジョー・マドン監督がワールドシリーズ初戦のマウンドを託したのはエース左腕ジョン・レスター(32)。
レギュラーシーズンは32試合でリーグ2位の19勝(5敗)をマーク。防御率2.44(リーグ2位)と安定した投球で投手陣を牽引した。今ポストシーズンは、ここまで2戦負けなしで、ナ・リーグ優勝決定シリーズのMVPに選ばれた。
14年オフに6年総額1億5500万ドル(約162億円)で契約。今やメジャーを代表する左腕の一人だが、レッドソックス時代には闘病生活を強いられた過去がある。
ベラミン高校(ワシントン州)から02年のドラフト2巡目(全体57位)で入団。メジャーデビューは06年と順調に昇格を果たすも、その年の8月に血液のがんである悪性リンパ腫を患った。抗がん剤治療を受けて完治したものの、薬の副作用から毛髪は抜け落ち、体重は20キロ近くも激減。リハビリとともに球威を取り戻すのに時間がかかり、メジャー復帰までに1年近くを要した。
ボールを握ることさえできない日々を過ごしただけに、誰よりも試合で投げられる喜びを知っている。メジャーの投手では数少ないワークホース。レッドソックス時代には肘や肩に多少の痛みや張りがあっても、ドクターストップがかからない限りはマウンドに立ち続けた。
07年から同僚でともに世界一になった松坂、岡島は左腕のタフネスぶりに「先発投手のかがみ」と脱帽したという。ワールドシリーズでも展開によってはフル稼働しそうだ。