デ杯欠場決めた錦織 日の丸より“ツアー優先”の計算と思惑
昨年はポイントにならない8月のリオ五輪で銅メダルを獲得、9月のデ杯にもダブルスで出場して日の丸に貢献した。それだけに今年は個人タイトルを優先したいということだ。
■負ければ責任は自分に
「すでにフランス戦の前売りは完売。代表の発表は1週間前なので、協会はできればデ杯に出る出ないの結論を先送りしてもらいたかったのでしょうが、欠場を先送りすればするほど錦織は悪者になってしまう。それに強豪のフランス相手に負ければ、責任は自分にのしかかる。そんな思いも、この時期のデ杯の欠場発表につながったのではないか」とは前出の関係者だ。
実際、錦織の今年にかける意気込みは、コート上でのプレースタイルの変化からも見てとれる。
世界のトップとの決定的な差はサーブだ。デ杯は5時間弱に及び、暮れのツアーファイナルは大会史上最長となる3時間20分。マリーとの2試合が象徴するように、錦織の試合時間はとにかく長い。他のトッププレーヤーと違って、サービスエースが少ないからどうしてもストローク戦になりがち。格下相手でも同様だから、その分、勝ち上がるまでに体力を消耗してしまうのだ。