悲願の初優勝から大関陥落…琴奨菊が自ら選んだ相撲道
そんな大関だからこそ、輝きも一瞬だったのか。初優勝後に結婚、新妻を連れてイベントやテレビに出まくるなどはた目にもわかるハシャギっぷり。稽古をおろそかにしたのだから凋落も当然という見方もある。
しかし、角界には擁護の声も少なくない。ある部屋関係者は「すべてわかった上で、浮かれるままに浮かれていた」と、こう続ける。
「頭から突っ込む低い立ち合いとがぶり任せの不器用な力士。ケガも年々悪化していった。2場所連続優勝で横綱昇進なんて無理、むちゃな話だということは本人が一番わかっていた。だからこそ、一生に一度の機会を楽しもうと思っていたのではないか」
どこかで潔く引退するのか、それともブザマでも相撲を取り続けるのか。後者ならファンからの非難は避けられないが、いずれにせよ、琴奨菊自身が選ぶ相撲人生だ。
▽ことしょうぎく・かずひろ
●本名は菊次一弘
●1984年1月、福岡県柳川市出身
●180センチ、178キロ
●最高位は東大関
●酒は一滴も飲めず。仕切りの際に上体を後ろに大きく反らす「琴バウアー」が名物