今オフも大補強 松本哲也引退で「育成の巨人」は店じまい

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「育成の星」がユニホームを脱ぐ。巨人の松本哲也(33)が6日、今季限りでの引退を表明。都内の球団事務所で会見を行い、「今年1年間、一軍に上がれず二軍暮らしが続いたことが一番の決め手」と理由を明かした。今季は二軍で打率.288をマークしたものの、一軍出場はゼロだった。

 原前監督が「まっちゃん(松本)の外野守備は12球団一」と太鼓判を押した守りは鉄壁で、ダイビングキャッチがトレードマーク。「みんなより体も小さい(168センチ)ので、常に一球一球全力でやっていかないと生き抜けないと思っていた」と白い歯を見せた。

 2006年育成ドラフト3巡目で入団。1年目の春季キャンプ中に、巨人の昇格第1号として支配下登録された。09年に一軍に定着し、129試合に出場して打率.293、16盗塁で新人王とゴールデングラブ賞を獲得。「(09年に)日本一になれたことが思い出」と振り返った。

 翌10年の開幕前、当時の原監督は「今年はまっちゃんが首位打者を取るよ」と予言。その言葉通り、松本は2番打者として開幕から1カ月、打率.423で首位打者を独走していたが、左足太もも裏を肉離れ。およそ2カ月間も戦線を離れることになり、復帰後も好調時の感覚は戻らなかった。後に「あのケガさえなければ……」と悔やんでも悔やみ切れない痛恨の離脱。結果として原予言は外れ、この年に新人王となった同い年の長野の台頭などもあり、レギュラーに定着できなかった。

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