5戦勝ちなし…西武・菊池を襲うフォーム固め“負のループ”

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 また勝てなかった。

 3日の日本ハム戦に先発した、西武菊池雄星(27)。四回、レアードに逆転2ランを浴び、七回途中8安打3失点でマウンドを降りた。

「調子は良くなかった」と振り返ったエースには今季、大きな追い風が吹いたはずだった。昨季まで禁止され、菊池自身も再三注意を受けて物議を醸した「2段モーション」が今季から解禁。味方打線の援護もあり、10試合で8勝無敗と好スタートを切ったが、6月末に初黒星を喫して以降、5戦連続で勝ち星がついていない。

 先月20日に6回6失点で炎上すると、菊池が動いた。5月に左肩を痛めた影響もあるのか、「下半身がうまく使えていなかった。完投や完封を求められる中では、前のままだと厳しい」と、前回登板の同26日のオリックス戦から「2段モーション」を封印。9回7安打1失点と好投すると、この日も上げた足をそのまま下ろしていたが、今回はピリッとしなかった。

「またフォームを試行錯誤し始めるんじゃないか」と、あるパ球団のスコアラーが言う。

「体の軸をずらしたり、ヒジを下げて高校時代のスリークオーター気味に戻したり、テークバックを小さくしてみたり……。ただでさえフォームをコロコロ変えるタイプ。前回は抑えても、今回のように不安定さが目立つと、またぞろイジリ癖が出てくるかもしれない」

 8勝2敗と大きく勝ち越しているが、ここまで防御率は3.15。昨季の防御率1.97と比べると、明らかに苦戦している。フォーム固め「負のループ」からの脱出には、まだ時間がかかりそうだ。

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