大阪桐蔭 2度目の春夏連覇は打撃技術と巧みな調整力の賜物
■金足農・吉田のスタミナは松坂大輔より上
一方、金足農は3点を追う二回1死一、三塁から、三塁走者の打川が飛び出して三本間で挟殺された。恐らく打者がスクイズのサインを見落としたのだろう。これで流れを失った。
100回大会の主役となった金足農のエース吉田は立派だった。特徴はステップ幅が広く、捕手寄りで球を離せること。他の投手より30センチほど前でリリースしている。球持ちが良く、打者は球速以上に速さを感じる。股関節が柔らかく、強いからこそできる。故障の少ない投球フォームといえる。
秋田大会初戦から甲子園準決勝までの10試合を完投。県大会5試合で636球、甲子園6試合で881球を投げ、投球数は計1517球だった。最後に力尽きたものの、決勝まで勝ち上がったスタミナに敬意を表したい。
スタミナといえば、春夏連覇を達成した教え子の松坂(現中日)を思い出す。1998年夏、PL学園との準々決勝で、延長十七回を完投。無尽蔵のスタミナを誇ると思われがちだが、翌日の明徳義塾との準決勝は先発を回避。スタミナ面では吉田の方が上である。