大阪桐蔭 2度目の春夏連覇は打撃技術と巧みな調整力の賜物
大阪桐蔭の史上初となる2度の春夏連覇に頭が下がる思いだ。開幕前、優勝確率は60%とみていたが、終わってみれば危なげなかった。
この試合に彼らの技術が結集されていた。三回に藤原がフォークを右手一本で拾って二塁打にした。3-1の四回に飛び出した宮崎の左翼への3ランは、内角高めの140キロの直球に対して左手をうまくたたみ、バットのヘッドを走らせた。五回の根尾のバックスクリーンへの2ランは、後ろ側の左手で強く押し込んでいるから打球が飛ぶ。
大阪桐蔭の打撃は、トップの位置からコンパクトに振る。バットを内側から出すスイングを徹底しており、各校は手本にするべきだ。
1、2回戦の動きは重そうに見えた。聞くところによると、試合前日も自校のグラウンドでみっちり練習をしていたという。甲子園の序盤、選手は疲労を溜めた状態で戦っていたことになる。2回戦以降、徐々に練習量を落とし、準々決勝にピークを持ってくれば決勝まで乗り切れる。準々決勝の浦和学院戦が一番のヤマとみていたが、状態がピークの大阪桐蔭が強豪相手に覚醒し、11-2と快勝。西谷監督の手腕は見事だった。