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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

「ナオチ」自身はアイデンティティーに区切りがついている

公開日: 更新日:

 安倍首相はすぐに祝意を表した。トランプ大統領が何かしたニュースはないが、ハイチのジュベネル・モイーズ大統領がいち早く「私たちのナオミ」と呼びかけて祝福している。

 ハイチでは「ハイチ系日本人」。ナオチは昨年、ハイチを訪ねて楽しい時間を過ごしており、全豪のオンコートインタビューでも「私はハイチも代表しているよ」と明るく話したものだ。

■プロ化が進みスポーツの国家の概念が変わった

 黒人で日本語が下手、アメリカに住んで日本選手として活動――アイデンティティーに関してはナオチ自身かねて考えざるを得なかった。

「みんな、私が日本人と聞いて驚くでしょう?」とよく口にしていた。

 ただ、自分の中では問題に区切りがついたようで、最近はこう話すことが多い。

「私がどこの国の人か特定できないから、みんなが応援してくれると思う。それってすごくうれしい」


 プロ化が進んだことでスポーツの国家の概念が変わり意識が薄まった。

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