清原の二の舞か…“Vの使者”丸を待つ巨人移籍1年目の大重圧
移籍が注目されればされるほど、特に移籍1年目は他球団の攻め方も違う。打たれた投手の方もクローズアップされるから、恥をかきたくないと目の色を変えるのだ。
巨人1年目の清原もシーズンで12個の死球を当てられた。もともと、“デッドボール王”だが、移籍前年の西武での死球数は6。倍に増えた。落合も移籍1年目に前年の4から6に死球が増え、左わき腹や左手首に当てられた影響が成績に直結した。村田も巨人1年目には、リーグ最多の15死球をもらった。相手投手の徹底した厳しい内角攻めも、巨人のFA野手にはつきものだ。今季は125試合の出場で、打率.306、39本塁打、97打点をマーク。2年連続セ・リーグMVPを受賞した丸もその洗礼を浴びる可能性が高い。
■状況酷似の小笠原も
そんな中、巨人のFA野手で数少ない成功例といわれるのが、2006年オフにパ・リーグMVPの実績を引っさげて日本ハムから入団した小笠原である。
丸との共通点は多く、小笠原を獲得した06年は原監督が復帰したばかりの第2次政権1年目。シーズンを4位で終え、今と同じ4年連続V逸中だった。MVP、中軸を打つ左の強打者、千葉県出身……。原監督も「MVP、3連覇の中心選手は悪い材料ではない。でも、だから取ったのではない。巨人は素晴らしいと思った選手はしっかり手を挙げた。ガッツ(小笠原)の場合は(本職の)一塁ではなく三塁をやってもらった。守備で負担を負わせてしまったけど、丸は守備位置(中堅)を空けて迎え入れるわけだから」と比較する。