「打たさねぇからな」開幕戦で石川雅規さんと夢の初対戦
マウンドでは167センチという小さな体ながら、ときに気迫を前面に出して打者に立ち向かう。後ろを守っていて、とても頼もしい存在でした。
16年オフにヤクルトを退団することが決まったとき、神宮のクラブハウスでこんなやりとりをしました。
「来年からは敵になるだろうけど、俺は打たさねぇからな」
笑顔でこう言ってくれた石川さんに僕は「絶対に打ちますからね」と切り返しました。
石川さんとの対決は、すぐに実現しました。
17年のヤクルトとの開幕戦(3月31日)。「6番・二塁」でスタメン出場した僕は二回表、石川さんから、レフトフェンスを直撃する移籍後初安打を打つことができました。2打席目は三ゴロに打ち取られます。初めて目の当たりにした石川さんのシンカーは、とても打ちづらかった。夢のような時間でした。
この年、通算1000安打を達成したときには花を届けてくれ、お礼に記録達成の記念帽子を送らせてもらいました。
それにしても、優勝旅行は素晴らしいものです。チャーター便を利用してハワイの「カハラホテル」に宿泊。5日間の滞在中はみんなでお酒を飲んだり、ゴルフをしたり、ホテルのプライベートビーチでのんびりしたり……。優勝したからこそ味わえる、かけがえのない体験でした。