藤川の引退発表は序章だ 阪神“大粛清”今オフついに始まる

公開日: 更新日:

「なぜ今なのか」

 阪神OBがこう疑問を呈した。

 8月31日、阪神は日米通算245セーブをマークする藤川球児(40)が、今季限りで現役を引退することを発表。藤川は1日、引退会見を行う。球団によれば、藤川本人から引退の申し出を受け、これを了承したという。

 藤川は今季11試合に登板し、1勝3敗2セーブ、防御率7・20と精彩を欠いていた。去る13日には右上肢(右腕)のコンディション不良で今季2度目の登録抹消、現在は二軍で調整中だ。

 球団との話し合いの中で藤川は、年間を通じてコンディションを保つのが難しくなり、特にかつてトミー・ジョン手術を受けた右肘が手術を要する状態だと説明。今季は2度も二軍落ちするなどチームに迷惑をかけていることも苦慮しているそうだ。

 その一方で、今季に関しては、名球会入りまで残り5セーブに迫る日米通算250セーブ達成もあり、9月中の一軍復帰を目指すという。今季はまだ折り返し地点。今後、一切投げないというならまだしも、復帰を視野に入れているのなら、なおさらシーズン終盤の発表でも決して遅くはない。この時期に引退を発表した理由について、別の阪神OBがこう解説する。

「実に藤川らしい身の引き方です。昨季はシーズン途中から抑えとして56試合に登板、4勝1敗、16セーブと活躍していた。しかし、谷本本部長が明かしたように、昨年春の時点で、昨季限りでの引退を申し出て、球団が引き留めていた。今季は2度も登録を抹消されるなど体はボロボロ、いよいよ本来の投球ができなくなった。

 40歳の藤川が仮に右肘に再度、メスを入れれば、リハビリに長い時間を要するだけでなく、確実に復活できる保証もありません。かねて『結果がすべて』と語ってきた藤川は潔く身を引くことを決断するとともに、チームに優勝の望みがある以上、自身の去就で周囲を騒がせるのをよしとしなかった。今季2度目の登録抹消を受け、マスコミは引退じゃないかと騒ぎ始めていましたから」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

  3. 3
    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

  4. 4
    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

  5. 5
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  1. 6
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

  2. 7
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  3. 8
    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

  4. 9
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  5. 10
    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ

    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ