ボディコン姿で人気 元女子プロレスラー穂積詩子さんは今
人気絶頂時に結婚、猛反対されたが…
さて、八王子市生まれの穂積さんは、小学生の頃から女子プロレスファンだったが、中学・高校と吹奏楽部でクラリネットを担当。格闘技とは無縁のまま高校卒業式直前の86年3月にジャパン女子プロレスの入門テストに合格し、第2期生として加入した。
デビューは89年1月10日、対小金井幸子戦。敗れはしたものの、それ以降は試合を重ねるたびに腕前を上げ、一方で美人レスラーとして注目され始めた。
ショッキングピンクのボディコンでリングに上がったのは、LLPWに移籍後の93年6月。当時人気だったディスコ「ジュリアナ東京」のお立ち台ギャルにヒントを得た。
「LLPWは、看板レスラーの神取さんが柔道、風間さんがシュートボクシングで知られていて、本格派格闘路線が売りでした。それだけでは華がない、というので私がボディコンで出場することになったんです」
これが大当たり。ジュリアナギャルの象徴である“ジュリ扇”を振り回しながら花道に現れるや、観客は床を踏み鳴らして沸きに沸いた。
また、スポーツ紙、男性週刊誌からも取材が殺到。毎週のようにグラビアを飾った。
「そんな人気絶頂の時に婚約発表、結婚でしたから、当然ながらフロントには猛反対されました」
なれ初めは、共通の友人の紹介。
「初対面では威張っている感じがして、あまり良い印象ではなかったですね」と穂積さんが振り返ると、「僕の一目惚れ。“押しの一手”でした」と維新力さん。
今でこそ北斗晶・佐々木健介らプロレスラーカップルは珍しくないが、その頃は前代未聞だった。幾多のハードルを乗り越えて94年6月に挙式した。
「スナックを始めたのは、結婚後、“オヤジ”が内臓疾患でリングから離れざるを得なかったためです。2人とも接客経験がなかったので気を使いましたね」
その後、96年に長男、97年に次男に恵まれ、2児の母に。現在はともに社会人になり、格闘技とは別の業界で働いている。
「自宅は、私たち夫婦と13歳のラブラドルレトリバーの花ちゃんの“3人暮らし”(笑い)。先月から、YouTubeで『維新力部屋』を始めましたので、ぜひご覧ください」
趣味はヨガ。ほぼ毎日ジムに通っている。
(取材・文=高鍬真之)