キング・カズ編<上>生誕から移籍先まで「港町」に深い縁
ザグレブを除けばカズがプレーしたクラブは、いずれも港町のある都市だった。2005年11月に移籍して日本人初のクラブW杯出場選手となったシドニーFCも、オペラハウスのあるポート・ジャクソン湾が有名だ。
もちろん、カズ自身は<港町>を意識して移籍したのではないだろうが、生まれ育った静岡・城内地区は清水港とも近いだけに<何らかの縁>で結ばれているのかもしれない。
そんなカズは、会えば昔から「六さん」と気さくに声を掛けてくれる。しかしながら、いつから親しくなったのか(カズには失礼な話だが……)まったく記憶にない。
カズの2歳上の兄・三浦泰年氏は静岡学園高のキャプテンだったが、残念ながらライバルの清水東高(長谷川健太、大榎克己、堀池巧の清水三羽ガラスがいた時代)に敗れて高校サッカー選手権には出場できず、高校卒業後に弟の後を追ってブラジルへと渡った。
同時期、たまたま取材した無名のサッカー青年が、ブラジルでプロ選手になることを夢見て都立高を卒業して海を渡った。