日本の選手をマークする球団が少ない今こそ調査のチャンス
折からのコロナ禍はメジャーのスカウト活動にも大きな影響を与えている。
日本にいる情報提供者や他球団のスカウトの話を総合すると、日本のプロ野球選手を現地でチェックしているのはヤンキース、レッドソックス、レンジャーズ、ツインズ、ブルージェイズといった程度。大半の球団はパソコン上の動画や数字で日本のプロ野球選手の実力を見極めているようだ。
今オフ、目玉になりそうなのは開幕から12連勝中の巨人・菅野(30)くらいといわれる。菅野の実力や性格は、これまでの国際大会を通じてすでに把握しているだろうから、コロナ禍で金銭的ダメージを負っているいま、わざわざ経費を使ってまでスカウトを働かせる必要はないとの判断に違いない。
ただ、動画や数字だけで、選手の真の実力を正確に把握できるとは限らない。いい例がマリナーズの菊池やブルージェイズの山口だ。
菊池は2017年に16勝6敗、防御率1・97という圧倒的な成績を残した。左腕で、速球が150キロ台後半をマークすることに加えて、飛び抜けた数字を残したのだからポテンシャルが高いのは間違いない。けれども、ポテンシャルが高いからといって、メジャーでいい成績を残せるとは限らない。4年総額約62億円でマリナーズに入団したものの、金額に見合う活躍はできていない。1年目は6勝11敗、2年目の今季は2勝4敗、防御率はともに5点台だった。