武田薫
著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

箱根駅伝の混戦を生んだ「厚底シューズ、コロナ禍、五輪」

公開日: 更新日:

 正月恒例の第97回箱根駅伝は、駒沢大学が最終10区の残り2キロで創価大を逆転、昨年11月の全日本大学駅伝に続いて、13年ぶりの総合優勝を手にした。アンカーによる大逆転は、順天堂大が駒大を抜いた2001年以来、通算9度目。創価大の往路Vはある程度予想されていたが、10区まで、まして2位に3分19秒差で先頭を守る事態は想定外だった。最後に油が切れたとはいえ、コロナ禍での難しいレースだった。

 象徴的だったのは1区だ。法大・鎌田航生の区間賞記録(1時間3分0秒)は昨年なら区間13位の超スローペース。17キロ地点の六郷橋に至っても参加20校が横一線という光景は異様だった。やや大袈裟だが、1992年のボストンマラソンを思い出した。先頭グループが“心臓破りの丘”を越えた映像に、プレスルームは騒然となった。黒人選手の大群が横一線に現れたのだ。ケニア勢が本格的にマラソン参入したこの大会を機に、世界のマラソンは変わった。

■「どれが弱い選手かが分からない」

 シューズ開発を受けて日本の長距離は軒並み記録を伸ばし、昨年の箱根は7区間で記録更新。なぜ今年の1区はスローペースになったか。テレビ解説でお馴染みの碓井哲雄さんは、やはり厚底シューズだと言う。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

  2. 2
    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

  3. 3
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 4
    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

    巨人・菅野智之の忸怩たる思いは晴れぬまま…復活した先にある「2年後の野望」 

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

    鹿児島・山形屋は経営破綻、宮崎・シーガイアが転売…南九州を襲った2つの衝撃

  2. 7
    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

    「つばさの党」ガサ入れでフル装備出動も…弱々しく見えた機動隊員の実情

  3. 8
    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

    女優・吉沢京子「初体験は中村勘三郎さん」…週刊現代で告白

  4. 9
    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

    ビール業界の有名社長が実践 自宅で缶ビールをおいしく飲む“目から鱗”なルール

  5. 10
    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?

    悠仁さまが10年以上かけた秀作「トンボの論文」で東大入試に挑むのがナゼ不公平と言われるのか?