川内優輝をペースメーカーに…大阪国際女子マラソンの詭弁
これら特殊な大会から山下佐知子、有森裕子、高橋尚子、野口みずきら数々のメダリストが生まれ、ロザ・モタは「日本こそ女子マラソンのメッカ」と褒めちぎった。混合大会では男が女を引っ張り、複数の男子選手に囲まれて走る“ガードランナー”なる掟破りまで登場したからだ。
一方、かつて「助力」と見なされていたペースメーカーは現在、事前公表を前提に公認されている。完走してもいいが、プロの時代にそんな無意味なことはしない。
ただ、女子のレースに男子のペースメーカーを使うのは前代未聞。大阪の参加資格はこうなっている。
「2020年度日本陸上競技連盟登録者で……大会当日満19歳以上の女性競技者 ただし、ペースメーカーは除く」
陸連登録者にかかっていたはずの「ただし」を今回は「女性」まで拡大し、レースの顔として人気の川内を据えたということ。規則違反ではないが、昔、ドラフト会議でこの手の裏ワザを使った球団があり、一般にこれを詭弁と言う。主催に名を連ねる日本陸連は輪をかけてこうも強調する。