お仲間でたらい回し…橋本会長と丸川五輪相は森前会長派

公開日: 更新日:

<はじめから勝敗が決められている。仕組まれた勝負事>

 辞書の「出来レース」の語句解説にはこう書いてある。女性蔑視発言で辞任した東京五輪パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)の後任人事で、自民党の橋本聖子五輪相(56)が決まったことに対し、国民の怒りが広がっている。

【写真】この記事の関連写真を見る(09枚)

 橋本氏は初めて出馬した時から森前会長が「五輪の申し子」「自分の娘」などと持ち上げ、目をかけてきた。その「娘」が不祥事でクビになった「父」の跡を引き継ぐというのだから批判が出るのはやむを得ないだろう。

仲間内でポストをたらい回し

 しかも、菅義偉首相(72)は橋本大臣の後任に、自民党丸川珠代参院議員(50)を起用する方針を固めたと報じられているのだが、橋本、丸川両氏はともに自民党森派の流れを引き継ぐ現・細田派(清和政策研究会)所属。何のことはない。仲間内でポストをたらい回ししているだけではないのか。

 新聞・テレビは「橋本新会長は組織委の体質を変えられるのか」と報じているが、福田赳夫元首相の秘書を務めた中原義正氏はこうした報道に異論を唱え、こう言う。

「今回の人事は森前会長の影響力を残そうということ。体質を変えられるわけがない。なぜ、メディアは『刷新できるか』などと報じているのか。刷新できるはずがないのは明らかだろう。メディアは五輪憲章で禁じた政治介入がますます強まっていると指摘するべきだ」

 国民も政府や組織委に騙されてはいけない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

  3. 3
    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

  4. 4
    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

  5. 5
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  1. 6
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

  2. 7
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  3. 8
    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

  4. 9
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  5. 10
    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ

    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ