G投手陣の故障パンデミックは“職務怠慢”宮本コーチも元凶

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 野上、おまえもか――。巨人野上亮磨(33)が19日、登録を抹消された。18日の広島戦で1点リードの七回に登板したものの、4球を投げ終えたところで「右肩の異常」を訴え、降板していた。ここまで9試合に登板し、0勝1敗1セーブ4ホールドで防御率1.65。苦しい救援陣にあって好成績を維持し、勝利の方程式の一角として原監督に頼りにされていただけに、痛い離脱となった。

 広島は18日に新型コロナウイルス感染の影響で計16選手を入れ替えた。さらにこの日、坂倉と塹江も「懸念される別の事案」が判明したため、ベンチ入りメンバーから外れたが、巨人はコロナ禍ならぬ故障禍に見舞われている。

■エース菅野に続き…

 19日現在、43試合を消化し、エース菅野は右肘の違和感で離脱中。先発3本柱のサンチェスも右肩を痛めて抹消されていた期間がある。こちらは二軍ながら、ドラフト2位入団で2年目の太田は、2月のキャンプで右太もも裏の張りを訴えて帰京。その後、右肘を手術した。同じく二軍の有望株で高卒2年目左腕の井上も、今週17日に左肘を手術したばかりだ。巨人、DeNAの前身の大洋などでも投手コーチを務めた高橋善正氏(評論家)がこう指摘する。

「坂本など野手にも故障者はいるが、今年は投手陣のケガが多い。しかも菅野を筆頭に、生命線の肩や肘を痛めて離脱する投手が後を絶ちません。1月に桑田が投手チーフコーチ補佐になり、先発陣の完投を推奨したり、春のキャンプ1カ月で1000球の投げ込みをさせたことが一因との声もあるようですが、ブランクのある野上は登板過多かもしれません。それにしても、宮本投手チーフコーチは何をやっているのか。最近はピンチでマウンドに向かうのも桑田コーチですから」

監督に進言するのはチーフコーチの仕事

 最近2週間の野上の登板日をみると、5月7、11、12、15、16、18日。そのうち3回と1回3分の1を投げた「回またぎ」が2度。まさにフル回転だった。昨季は前年10月の左アキレス腱断裂から二軍戦では実戦復帰したものの、一軍登板はゼロだった。前出の高橋氏が言う。

「原監督が使いたがっても、投手コーチがストップをかけないといけない。頼りになるリリーフ投手がベンチにいると、どうしても使いたくなってしまうもの。私が大洋の投手コーチだった時も、監督はセーブ王になった大魔神・佐々木を毎日のように使いたがった。私は小谷投手コーチと話し合い、2連投の翌日に佐々木をベンチから外すことがよくあった。ベンチ入りメンバーから外せば、使いたくても使えない。佐々木は腰が悪かったので、試合前に『3連投は無理です』と進言すれば、監督はノーとは言いません。これは『チーフ』の宮本コーチがやらなければいけない仕事です」

 この日は巨人リリーフ陣が広島打線にめった打ちを食らい、六回に9点を失った。原監督、桑田補佐だけでなく、宮本コーチの責任は重そうだ。
 

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