著者のコラム一覧
孫崎享外交評論家

1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

IOCは人命無視の“ぼったくり集団” 五輪に固執はカネのため

公開日: 更新日:

 もはや、東京五輪を開催すべき理由はほとんどない。しかし、IOCは開催の方針を崩していない。しかも、その開催理由や、開催ありきの幹部発言はあまりにも乱暴だ。

 例えば、コーツIOC副会長は、「緊急事態宣言下でも東京五輪を開催」「宣言下でもテスト大会が成功している」と述べていたが、テスト大会は外国人参加者が限られ、参加国も少ない。つまり、五輪の安全性を何ら証明したものではないのは言うまでもない。

 驚くのはバッハ会長の「誰もがいくらかの犠牲を払わないといけない」と発言したことだ。この「犠牲」というのは、感染拡大で死者を出すだけでなく、さらなる経済の後退を余儀なくさせる事態を意味すると言っていい。

 IOCはなぜ、五輪開催に固執するのだろうか。ワシントン・ポスト紙はコラムで、IOCが開催にこだわる主要因は「金」だと指摘し、バッハ会長を「ぼったくり男爵」と称した。ニューヨーク・タイムズ紙は「五輪をゴリ押しする理由は3つ。カネ、カネ、そしてカネだ」という論評を報じた。日本はぼったくり集団のIOCの影響から脱する必要がある。

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