ウッズは今でも“視聴率王”…人気プロ不在で盛り上がらない
【全米オープン】最終日
世界ランク3位のジョン・ラーム(26)が67で回り、通算6アンダーでスペイン人初の全米オープン制覇、メジャー初優勝を遂げた今大会。
マスターズに次ぐメジャー2勝目が期待された松山英樹(29)は4日間ベストの68で回り3つスコアを伸ばし、先月の全米プロ(予選落ち)に続くメジャー2連戦の星野陸也(25)は71のパープレー。ともに通算3オーバー26位に終わった。
「日本では地上波でのテレビ中継がなく、日本選手の成績も振るわずどちらも期待外れでしたが、米国でも自動車事故のリハビリ中でタイガー・ウッズが欠場したため、盛り上がりにいまひとつ欠けていました。なにしろ今でもウッズの人気はワールドランク上位選手よりも高く、ゴルフ界で視聴率を最も稼ぐからです」(ゴルフライター・吉川英三郎氏)
過去最高視聴率はウッズ全米OP2勝目の2002年
全米オープン最終日の平均視聴率を見ると、過去最高はウッズが本大会2勝目を挙げた2002年大会の8.9%(1310万人視聴)。今年と同じ会場だった08年大会に勝った時は7.5%(1210万人)だ。
それ以降はこの数字を超えることがなく、ここ6年間では15年4.2%(優勝J・スピース)、16年3.4%(D・ジョンソン)、17年3.1%(B・ケプカ)、18年3.2%(同)、19年4.4%(G・ウッドランド)、20年2.0%(B・デシャンボー)と5%を超えず、ウッズがマークした記録に程遠い。
「テレビ中継のNBCは今年、ウッズに解説出演をオファーして断られました。ウッズが登場するだけで視聴率が大きく変わるのを知っているからです。ちなみにマスターズの過去最高視聴率は1997年大会の14.1%(2030万人)、2番目は01年大会の13.3%(1920万人)と、どちらもウッズが勝った年です。そんなスター選手がいない全米オープンだけに関心が薄れているのでしょう」(吉川英三郎氏)
最終日はワールドランク上位選手が優勝争いに加わったが、想像を絶する数々のドラマを演じて、カリスマ性を持つウッズが不在ではメジャー大会も画竜点睛を欠くか。