著者のコラム一覧
植月正章元アシックス営業本部長

1938(昭和13)年、鳥取県智頭町生まれ。57年オニツカ㈱入社、77年㈱アシックス推進部長、84年理事、88年取締役販売促進部長、93年常務取締役アスレチック事業本部長、99年専務取締役フットウエア営業本部長。2003年任期満了に伴い退任後、兵庫陸上競技協会会長、神戸市体育協会副会長、兵庫県体育協会副会長、神戸マラソン実行委員会会長、近畿陸上競技協会会長などを歴任。

<1>カール・ルイスとの契約放棄は人生最大の判断ミス

公開日: 更新日:

■ナイキ色が強すぎる

 結論から言えば獲得には至らなかった。主な理由は以下の2点だった。

①ルイスはナイキのイメージが強すぎる。巨額な投資をしない限り、「アシックスのルイス」に変えることは容易ではない。

②ライバル会社のアディダスやプーマに話が行っても、同様の理由で契約は見送るだろう。 

 当然、役員会では、「なぜルイスを諦めるのか」「すぐ交渉するべきだ」という意見が出た。どちらに転ぶかわからないので、私は渡米の準備だけはしておいた。役員の採決の結果、僅差で「ルイス断念」が決まり、ダグラスに断りのファクスを送った。

 大型商談は実らず、迎えた87年の世界陸上ローマ大会でのこと。

「え! まさか?」

■スタンドで見たスパイクに絶句

 ルイスのスパイクを見た瞬間、私は言葉を失い、頭が真っ白になった。それはなんと、ミズノだった。「ルイス断念」の理由を役員に説明した時、私の頭に国内メーカーはこれっぽっちもなかった。ミズノはプロモーション活動では先駆者であり、かつては陸上スパイクでも人気を博していたが、当時はアシックスの方が、知名度もシェアも上。ライバル視していなかった。ルイスはこの大会でも2つ(※)の金メダルを手にした。

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