<4>小平奈緒や高木美帆らのトップ選手活躍の裏で気がかりな「次世代の空洞化」
現在、企業や学校が同じリンクで練習する場合、選手のレベルごとに使用時間を区切っているケースが多い。レベルの違う練習を同じ場所で行うとケガや事故につながる可能性があるからだが、まだ芽が出ない、または伸び悩んでいる選手はトップ選手と同じ空間にいるだけでも学ぶことが多い。月1回でもいいからレベルの違う選手たちを一緒に練習させてはどうだろうか、と提案したい。
私も無名のまま富士急行に入り、チームで練習するので厳密なレベル分けがなかった。速い選手が近くを通るだけで、ものすごい風が来る。そのスピードを間近で感じることが新鮮で、同じ空間で滑っているだけで自分も強くなった気がした。
邪魔しちゃいけない、と遠慮しながら滑っていると、いつの間にか自分は一番端っこの外周に。ひたすら大きなカーブを回らざるを得ず、随分と脚が鍛えられたものだ。リンクの外でトレーニングしている様子を観察しては、「ああいうことをすると強くなれるのか」と思うこともあった。
■子供を必死で追いかけ回したメダリスト