寅年のコルダ&“寅”ウッズ 全米ゴルフファンが注目する2選手の気になる今後
今年もネリー・コルダ(23)とタイガー・ウッズ(46)の2人が米ゴルフ界の話題をさらいそうだ。
■元女王アニカが更なる飛躍を予言
昨年は東京五輪の金メダルに輝き、世界ランク1位に立つ寅年生まれのコルダについて、アニカ・ソレンスタム(51)が「2021年は始まりに過ぎない」とコルダ時代の到来を予言している。
昨季は6月のメジャー「全米女子プロ」を含むツアー4勝と大ブレーク。
「(昨年の)活躍には誰も驚かなかったはず。彼女のプレーは、簡単に目に焼き付くもので、いつブレークするか時間の問題だった。177センチとフィジカルに恵まれたアスリートであり、美しくパワフルなスイングをしている」(ソレンスタム)
コルダはボールも飛び(ドライバー平均飛距離275.12ヤード=ランク7位)、イーグル数11個はランク3位。パーオン率77.24%(5位)、平均ストローク数68.77(1位)と全てのスタッツがトップクラスと、穴が見当たらない。
「なによりハードな練習をして上達し続けている。一度、トップに立つ自信がついたら、いつでも繰り返すことができる。22年も大活躍する」(ソレンスタム)
コルダの両親はテニス選手で、父親は1998年メジャーの全豪オープン男子シングルスで優勝経験を持ち、弟もプロテニスプレーヤー。姉のジェシカ(28)もLPGA6勝のベテランだ。アスリート一家のDNAを受け継ぎ、練習環境に恵まれている。22年は前年を超える好成績が期待できると米国ファンが注目しているのだ。
これまでLPGAは韓国勢に席巻されていたが、米国人のコルダが活躍しだして人気がさらに高まるともっぱらだ。今年から本格参戦の渋野日向子や古江彩佳にとっても大きな壁になりそうだ。
早くも全英オープンに向け始動か
“寅”といえば、タイガー・ウッズの動向も関心を集める。
昨年は2月の自動車事故による大けがで1年を棒に振ったが、「今年は全英オープンに出場するのではないか」との噂がすでに飛び交う。
年末に息子チャーリーと出場したPNC選手権で、「高いレベルで戦うには、まだまだ多くのことをしなければならない。まだ先は長い」と現状を明かし、「もうかつてのようにフルのスケジュールで試合に出ることはないだろう」と語った。
だが、今もツアー復帰への意欲は強い。
PNC選手権で一緒にラウンドし、タイガーにオーバードライブされたこともあったジャスティン・トーマスは、「タイガーが打ったショットとそのスピードには本当に驚かされた」と、驚異の回復力に目を見張った。
それだけに復活を望む声が出るのだが、今年7月の全英オープン会場は、過去2勝を挙げ、フラットで足への負担が少なく歩きやすいセントアンドルーズ・オールドコース。
タイガー自身も世界で最も好きなコースのひとつと思い入れが強く、「全英でプレーしたいと思っている。それは疑う余地がないことだ」とコメントしている。
「全英オープンの150回記念大会にウッズが戻ってくるのなら、それは素晴らしいことだ」(R&AのM・スランバーズCEO)
タイガーが出場する、しない、で大会の注目度、テレビ視聴率、観客動員数が大きく変わるだけに、「一刻も早くツアーに復帰して欲しい」と願う関係者は多い。まだまだタイガー人気は衰えず、同時にタイガーを超える人気プロ不在も米ツアーの問題点ともいえる。
(ゴルフライター・吉川英三郎)