メジャーリーグの組閣事情「カネも出すがクチも出す」オーナーの弊害
メジャーリーグはロックアウトで1カ月以上FA選手の契約やトレードが止まっている。
コーチの獲得や移動は対象外のため、ここにきて動きが見られた。メッツが年明けからコーチ陣の人選を開始したのだ。
特に注目されたのは12月にヤンキースの打撃コーチ補佐に就任したエリック・チャべスが、メッツの正打撃コーチに就任したことだ。メジャーリーグでは他球団のコーチを監督候補に、あるいは打撃コーチ補佐を正打撃コーチにしようとしている場合、球団は面接を受けることを妨げてはならないというルールがある。なので、チャベスがヤ軍の打撃コーチ補佐からメッツの正打撃コーチに動いたこと自体は異常ではない。
問題は時期だ。1月に入ってからコーチ陣の人選が行われるのは異例中の異例だ。メジャーリーグのオフシーズンの常識は①GMを代える場合は10月20日ごろまでに新GMを指名②新GMが監督の候補者数人と面接して10月中に新監督を決める③ストーブリーグが11月上旬に始まるので、GMは選手の入れ替えや補強に入る④監督は自分の手足になってくれるコーチ陣の人選に入る、という流れになる。