北京五輪「コロナ悪用」の陰謀論まで飛び出したが…中国の狙いは“欧州取り込み”
2018年平昌五輪では、中国の金メダルは男子ショートトラックの1個のみ。自国開催に向けた強化は続けてきたものの、世界との差はいまだに大きい。それならズルをしてでも、と手段を選ばないのではないかと各国は疑心暗鬼になっているようなのだ。
が、「そう思われるのは仕方ないですが、ヨーロッパ相手に関していえば、むしろ逆です」と話すのは、中国情勢に詳しい国際ジャーナリストの近藤大介氏だ。
「中国は今、ヨーロッパ諸国を取り込もうと必死なのです。五輪における中国は夏季競技に比べ、冬季競技が非常に弱い。五輪招致の際、習近平国家主席は『中国のウインタースポーツ人口を3億人に増やす』という公約を掲げた。それに向け、北京五輪に向けてスキー場を中国国内に約800カ所建設しました。本当の目的はウインタースポーツ人口を増やし、欧州メーカーがほとんどであるスキーウエアや用具を買わせること。欧州のビジネス市場を拡張させることで、経済的に優位に立つのが狙いです」
そんな中国に、IOCのバッハ会長はすっかり骨抜き、親中派として取り込まれたようにも映る。