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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大坂なおみを泣かせたヤジ「ユー・リアリー・サック!」の“正体”

公開日: 更新日:

 メジャー大会を取材していると、家族でもないのに異常にのめり込んだ客を見かけ、彼らの多くは賭けている。ネットの発達で、さまざまな賭け方が可能なテニスは格好の対象になった。賭け自体は合法だから、テニス界は懸命に八百長(敗退行為)を取り締まっている。

 大坂は試合後に「ビデオで見た2001年の光景が頭から離れなかった」と説明している。

 かつてこの大会で、黒人のウィリアムズ姉妹が猛烈なブーイングを浴びたことがある。

 インディアンウェルズは砂漠の中のリゾート地で、人口のほとんどは白人。その時のブーイングに差別以前の火種があったことを、大坂は知らないのかもしれない。

 宗教上の理由か、若い頃の姉妹は意図的に対決を避け、この時は姉が大会途中で棄権していた。半ば「敗退行為」に人種感情が絡んでいたのだ。

■恋人のラッパーの影響か

 大坂は2年前の全米で黒人差別への抗議行動をして注目を浴びた。

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