朝乃山が1年ぶりの土俵復帰…三段目から大関返り咲きの「課題」
長い長い謹慎がついに解けた。
10日初日の大相撲7月場所で、昨年5月場所以来となる土俵復帰を果たす三段目の元大関朝乃山(28)。幕下以下の力士は本場所で7日間しか相撲を取らないため、朝乃山は2日目からの出場となる。
元大関だけあって、成績を不安視する声は皆無。幕内復帰は時間の問題だろう。しかし、大関に戻れるかといえば話は別だ。
大関時代の朝乃山はケガによる休場と、自身が起こした不祥事での休場を除けば、皆勤した4場所はすべて2ケタ白星。大関の名に恥じない成績を残した。その一方、大関昇進後は優勝が一度もない。得意の右四つにこだわるあまり、おっつけで差し手を封じられ、星を落とすことがしばしばあったからだ。
序二段から復活を遂げた横綱照ノ富士は、かつては力任せの相撲で鳴らしていた。それが再び這い上がってきた時は、以前とは見まがうばかりに「技」にたけた力士へと変貌。力に頼る相撲では故障しかねないため、照ノ富士なりに研鑽を積んだ。
「照ノ富士も序二段で土俵に復帰した当初から、いきなり技巧派になったわけではない。実戦を重ね、相撲勘を取り戻す中で今の取り口を身に付けた。朝乃山の場合はどこか痛めて地位を落としたわけではないので、そう簡単に相撲のスタイルは変えられないでしょう。それでも以前のように『立ち合いからいきなり差しに行く相撲』では大関は厳しい」(角界OB)
まして今は三役~幕内上位はイキのいい力士が豊富。当面は実戦感覚を養うことが先決だが、同時にアタマもフル回転させる必要がありそうだ。